織工たちは、常に長く伸ばした指の爪先(中指と薬指)にヤスリをあて、のこぎりの歯のように刻んでおります。 緯糸(ヌキイト=横糸)を越し終わる都度その指先で緯糸を掻きよせ、文様を表現します。これが「爪掻(かき)本綴織」の名称のある所以です。綴織は経糸の下に図案(下絵)を挿みこみ、経糸を透して見ながら彩糸である緯糸を織っていくという方法で文様を描いていくのです。この作業は長年の経験と研ぎ澄まされた感覚を必要とし、貴重な技術とされています。本綴織はまさに糸で描く絵画とも言えるでしょう。